アイスランド・エア

megumimaginery2006-10-22

地下鉄ホームにアイスランドの航空会社のポスターが貼ってあった。ご存知ビョークの出身地、温泉湖のある北の果ての国である。と、なにやら落書きがしてある。「whale killer(鯨殺し)」と。


北欧の一部の国々では鯨を食べるので捕鯨をする。アイスランドもそのひとつだ。ビョークの夫で英国人アーティストのマシュウ・バーニーは昨年金沢を訪れて、捕鯨をテーマにしたインスタレーションを行った。妻のビョークとアザラシの毛皮で出来た白無垢、角隠しの婚礼衣装で、捕鯨船の中で結婚式を挙げ、契りの儀式としてお互いの肉体を捕鯨用の刀で切り刻んで行く、というようなものだった。


私は捕鯨反対とか、毛皮反対とかには賛同しない。動物の殺生というのは、雑食性のヒトにとっては必然であり、その程度は環境的背景、文化的背景に左右される。寒さの厳しい北国の沿海部ではでは鯨は貴重な蛋白源だ。毛皮も防寒には欠かせない。殺生を行う文化には、その動物に対する感謝と畏敬の念を表する儀式がある。アイヌの熊祭りなどがそうだ。そして殺生する限りは骨まで使い尽くすのである。


イギリスは狐狩りなど、娯楽目的だけの殺生を平然とやりながら、毛皮には異常な嫌悪感を示すようなところがある。ポール・マッカートニーの娘で有名デザイナーのステラマッカートニーは毛皮に反対することで有名で、代替技術として、繊細なウールなどを使う工夫をこらしている。それは大変よろしいが、シルクのシフォンなども多用する。シルクは何万匹もの芋虫を釜茹でにして採られるものではなかったか。