奨学金

megumimaginery2006-07-01

先日、ロンドンのGFW(グラジュエーションファッションウィーク)ファッションショーに参加したところ、ロンドンのファッションカレッジから修士課程とそれに向けての奨学金への応募のお誘いを頂いた。


私はどちらかというとアカデミック志向の強い方なので、修士課程には興味があったが、何しろこれ以上資金が無い。全く無い。暫く働いて出直そうと思っていたので、特に何も考えてはいなかった。また、ファッション業界で仕事をするうえで修士号がどれくらい機能するかについては実は懐疑的でもある。結局、デザインやビジネスに対する直感的なアイディアとスピードが大切なので、アカデミックな理論武装がそれほど訳に立つとは思えないのだ。


卒業制作を進めている間、私はこの矛盾に苦しんで来た。このページでも、時おり指導教授への不満を述べていたと思う。彼女はファッション業界への適応を促す立場にあって、私が求めていた学際的なアプローチ、ファッションとアートやアカデミズムとの融合については否定的であったからである。


ここ数日、修士課程への応募書類の作成に没頭している。私は「ファッションデザインアンドテクノロジー・バイ・インディペンデントプロジェクト」というコースに応募しようとしている。これははっきりとした目的を持つ、社会経験のある人向けの個別に研究計画を立てるコースで、そこで「フェアトレードカンパニーの設立」をテーマとしようとしているのである。そのためには1500語のエッセイ(論文)を2件、そしてポートフォリオ(作品集)を提出しなければならない。


修士課程には受かるかもしれないが、奨学金は難関だと思っている。総額約300万円、ファッション分野で外国人にも解放されている奨学金は少ない。私のように裕福だと思われている日本人で年齢も40歳となれば、それだけで落ちてしまうかもしれない。しかしながらベストを尽くすことをここに表明しておきたいのである。夢は公にすると叶うという。昨年、ここで「自分の会社を設立してイギリスで働きたいと思っている」と宣言したところ、1年後の今、夢は一歩実現に近付いているではないか。


目下、大学の最終評価の結果待ちをしている。学士号の成績が悪ければ、修士課程への受験もままならないのであるが。