ジーンの報告

megumimaginery2006-06-30

木曜日のレースのクラスにジーンがやって来た。先日亡くなった、ミュリエルの双子の姉妹である。ミュリエルの遺言によって、彼女のレースの道具は、まず私が好きなだけとり、その後、彼女の思い出にめいめいがボビンを一組ずつ取り、残りは買い取ってもらってその収益を彼女が晩年を過ごしたホスピス「ヘイウッドハウス」に寄付する、ということになっていた。レースを始めたばかりでお金の無い学生である私には、彼女は生前から不要になった道具をよく分けてくれていたものであり、遺言においても、私のことを気遣ってくれていたのであった。


さて、ジーンによるとミュリエルの遺品は総額1,100ポンド(22万円)にもなり、ヘイウッドハウスに寄付されることになった。うち3分の1は患者に、3分の1は看護婦さんに、残りで「バーズバス」、小鳥の水浴び用の水盤を購入して庭に設置することになった。「ミュリエルは小鳥が好きだったから」とジーンは言う。


ミュリエルの遺言に従い、私は一日では持ち帰れないほどの道具を貰った。最も彼女の身近にあったもの、針山や使いかけのピンなど、彼女のにおいが残っているようなものを特に選んで貰うことにしたのだった。「これら、ちゃんと相続しましたよ」とジーンに報告したら、「是非そうしてちょうだい」といって、ミュリエルの亡くなる前の週の写真を見せてくれた。ストラップのついたおしゃれな眼鏡をかけていた。


今日は同じ頃亡くなったルースの遺品の形見分けも行なわれていて、その収益金は彼女が生前支援していたガンビアの学校に送られることになっている。