Geishaとは白塗りの女の人のことである

megumimaginery2006-01-26

昨年暮れに「Sayuri」が公開になり、イギリスではその話題で持ちきりである。


彼らの第一印象はどうも「白塗り」というところにあるようで、レースの仲間も、写真の大衆紙「サン」でも芸者は白塗りの女性というふうに言及している。

メディアの芸者に対する報道は正確だ。私などが知らない芸者のしきたりなどが丁寧に取材された記事がよく掲載されている。そして、こちらでは「イギリス人は芸者に大いに関心があるが、在英日本人は芸者にスティグマ(嫌な先入観)があってそれを嫌っている」というような図式がある。私のその一人だ。


芸者はこちらの人にとって「ミステリアスなアジア」的イメージを喚起するようだ。ノッティンガムには「Geisha」なるレストラン-クラブがあり、最もクールなスポットとして知られている。ウェイトレスはサテンのチャイナドレスに着物の帯のような幅広のベルトを巻いた制服を着ているらしい。


レースの仲間は「でもあの映画では中国人が芸者をやっているのよねー」とちょっと不満そうであったが、日本と中国を程好くミックスした位が彼らにとって心地良いイメージになるのだろう。私は時々日本料理をイギリス人に振る舞うが、典型的な日本的味付けだとちょっと抵抗があるようで、鳥の唐揚げなどちょっと中華風な、肉や油気のあるものが好まれるようだ。


私としては、日本にチャン・ツイィーのようなハリウッド映画で主役を張れるようなスケールと英語力のある日本人女優が居ないのはちょっと恥ずかしいのだが、あえてそういうキャスティングをすることで虚構性が強まるのは良いことかもしれない。「Sayuri(原題The Memoirs of Geisha)」についてのインタビュー番組をテレビで見たが、チャン・ツイィー(こちらではツイィー・チャンと呼ぶ)の英語はかなり訛っていて稚拙なものだった。彼女は大陸中国の出身あることを思い出した。それでもそれはインタビューだからであり、映画では堂々としたセリフになっている。彼女が女優として大物たる所以である。ちなみに旧英国植民地マレーシア出身のミシェル・ヨーの英語は完璧であった。