聖公会の教会にあるイコン

megumimaginery2006-01-25

町中にある教会に入るとイコンがあった。


多分複製なのだろうが、説明書きがついていて、どうやらキリスト生誕の場面が含まれているらしい。


イコンはロシア正教による聖母、キリストなどの像、板絵だが、独特の雰囲気があり、アンティーク絵画として高価に取引されたりもしている。日本の仏像のようなものだ。


この教会は聖公会なのだが、イギリス王ヘンリー8世が世俗的な理由から作ったこの宗派は、そのトップをローマ法王からイギリスのカンタベリー大司教に置き換えただけで中身はカトリックと余り変わらないと聞いたことがある。


ヘンリー8世宗教改革の同時期にルターによる宗教改革プロテスタントも誕生している。私が最近ヨーロッパのあちこちを旅行して感じたことは、庶民から広く支持されたのは、教義もあろうが、政治的、経済的理由が大きいのだろうということである。例えばアメリカへのピューリタンの移民も、信仰の自由もあろうが、宗教に妨げられずに政治、経済活動を行ないたかったからだろうと思うのだ。


私は最近結構頻繁に教会に行くのだが、説教を聞いていると、他の宗派とか、別の宗教の教義を引き合いに出したりしている。共通点はこんなことで、あるいは自分達がやっていることを別の宗教ではこう解釈している、などという事だ。


聖公会の教会でイコンを見つけた時、あれ、と思ったのだが、別の宗派同士が仲良くしているのかな、と思い、良い気分になった。世界の各地で宗教による争いが頻発しているのは、おそらくはその教義のためでは無くて、それにまつわる政治的経済的利害関係からなのだろうと思う。