昔ながらのマーケットはショッピングセンターの2階に

megumimaginery2005-11-26

イギリスの街の商業地域は、大抵ハイストリートという目貫き通りと、ショッピングセンターから構成されている。特にハイストリート、というのがマーケティングにとってユニークな存在でチェーン展開している服飾ブランドや「ブーツ」のようなドラッグストア、そして必ず「オックスファム」のようなチャリティショップがある。日本の無印良品MUJI」ショップも必ずある。個人商店は殆ど無い。


ハイストリートの端にはショッピングセンターがある。或いは郊外型の車でしかアクセス出来ないような所にも存在するが、内容はハイストリートとほぼ同じだ。日本の商店の画一化を嘆く向きもあるだろうが、イギリスの画一化は一層甚だしく思われる。


我が街ノッティンガムのショッピングセンター、ヴィクトリアセンターの2階には、昔ながらのマーケット、魚屋や肉屋、八百屋、そしてカリブ系移民ショップなどが入っている。魚屋さんは「フィッシュモンジャー」と言われ、白衣の下から刺青を入れた腕が覗いていたりして、バリバリのワーキングクラスの人という感じで、ノスタルジーを感じたりする。


因みに、イギリスの「ワーキングクラス」には決して悪いイメージは無く、彼らはその訛りとか出身地を誇らし気に誇示して見せる。階級社会のイギリスの良いところは、その階級が人の貴賎を問うものでなはいということだ。ワーキングクラス無くして、産業革命は成り立たなかったからだ。


その、昔ながらのマーケットは、ショッピングセンターの2階に押し込められている。薄暗い雰囲気だし、流通の効率も悪いから大型チェーンに比べて値段も高く、品数も限られている。しかし猟獣の肉や個人栽培の野菜とか、日本人には有難い魚介類、珍しいカリブの食材などが手に入るのは有り難い。こういうマーケットがいつまでも元気でいてほしいものだ。