イメージの伝達

megumimaginery2005-11-21

週末は一歩も外に出ないでコンテストに向けての制作に没頭していた。寒かったからというのもある。だが、自分の一番苦手な部分、抽象的なアイデアを服のデザインに落とす所で悪戦苦闘していたのだ。


週末の苦労作を持って個別指導に臨んだが、案の定、全くいいとこ無しだった。ファッション画を画くのは本当に苦手で、いままではいつも実際に布をいじりながら制作して来た。一般的なプロセスとしてはデザイン画を画き、そこから型紙を起こして行く。コンテストで勝つには、デザイン画が重要なのだから今までのように避けては通れない。


一般的にイギリス人はイメージ伝達が得意だ。だから先日ご紹介したスケッチブックやイラストボードなどは誰のものでも、私にはとても良く見える。デザインを上手にイメージ出来ないと、自分の思いを他人に伝えられないし、やっぱり自分のデザインも堅苦しいものしか出てこなくなる。今まで文学的な世界に生きてきたので頭の構造がもともと絵画的では無いのかもしれないが、その文学的なコンテクストで考えたアイデアを、何がなんでもヴィジュアルに落としたいのである。しかも、アートギャラリーのオブジェでは無く、商業的なファッション産業で通用するものにしたいのである。文学なコンテクストと絵画的なコンテクストのバイリンガルになれたら、コミュニケーション能力は飛躍的に向上するだろう。


今日のチュートリアル(個別指導)はいいとこなしだったのだが、それでも、頑張ろうと思えるのは、自分が努力だけはしたことを先生もクラスメートもわかってくれているからだ。仲良しのアンとヘレンは、コンピュータの使い方をそっと耳打ちしてくれた。先生達も最初は目を白黒させていたが、私が何かを伝えようと努力していることがわかったらしく、根気強く指導してくれる。イギリスではデザイン発展のプロセスを重視するからだ。だが、デザインをやる限り、ヴィジュアルで全てが伝わらなければ、やっぱり駄目なのだ。


写真は人台にかけたトワル(模型)。普通と違うのはそれが人形用のもので、人体の約5分の1、高さ10cm程のもので、写真はほぼ実物大。ガーゼと紙ナプキンで服の形を作ろうとしていたのである。