人間工学に基づいたデザイン

megumimaginery2005-11-20

ここは我が家の隣にあるシティホテルの入口である。中央に自動式回転ドアがあり、左脇に車椅子用の自動ドアがある。この車椅子用ドアには車椅子の人が押すスイッチが壁に取り付けられているのだが、このスイッチを足蹴にする人をよく見かける。


最初憤慨していたのだが、よく観察していると、それは全員荷物を抱えた業者であった。荷物があるので回転ドアは避けたいし、両手が塞がっている。車椅子用のスイッチは車椅子の人の手の高さに設置されているので、立って歩く人の場合、足を振り上げて蹴り込むような高さになるのである。


手で抱える程度の荷物の搬入というのは、限られた機会しか無いだろうから、それに的したドアをわざわざデザインすることは無い。車椅子用のアプローチは法律で義務付けられているから必ず設置される。どちらもそれほど使用される機会が無いから脇に設置され、出入りがしやすくなっているから、両者のニーズが一致する。手押しのボタンを足蹴にする必然性が整ってしまった出入り口なのである。