ティーバッグ

megumimaginery2005-11-17

卒論のために紅茶の喫茶習慣に関するアンケートをイギリス人と日本人双方にお願いしている。紅茶を日常的に飲むイギリス人はマグカップティーバッグで簡単に飲む一方、日本人は紅茶を飲むことでイギリス趣味を楽しむという、非日常的世界を演出するためにカップや茶葉にこだわっている、という仮説を証明することが当初の目的であった。


この仮説、ある程度はあてはまると思うのだが、イギリス人がティーバッグを愛用するもう一つの理由は、それだけでも十分に美味しい紅茶がいれられる、ということもある。こちらの水は硬度が高いので、日本のように紅茶が渋くならないのだ。日本では湯の温度に気を遣い、ポットでほど良く蒸らし、しかも早々に茶葉を引き上げないと、あっという間に渋くなってしまうが、イギリスでは適当に湯を注げばそれだけで美味しいし、茶葉を放置しておいても濃くなるだけで、湯で薄めれば良い。アフタヌーンティーの正式なセッティングでは、茶葉の入ったポットの他に、紅茶を薄めるための湯だけのポットが添えられる。正直に言って当初は、紅茶を薄める行為を正式なテーブルセッティングに加えるなんて、イギリス人の味覚の貧しさの証明かと思ったのでが、あながちそうでもないのである。


また、こちらのティーバッグは写真のように丸型で可愛らしいのだが、紐が付いていない。紅茶が渋くならないうちに取り出す必要が無いからと勘繰ることも出来る。単に面倒臭いだけかもしれないが。


この紅茶、例のスーパー「テスコ」の廉価品シリーズ「テスコ・ヴァリュー」のものだが、これでも結構美味しく入るようだ。しかし、私はコーヒー党なので、この紅茶は作品作りの際の絵の具に使っていて、実際には飲んだことは無く、香りから推測しているだけであることをお断りしておく。