パリ暴動はイギリスには波及していない

megumimaginery2005-11-15

移民の若者の感電死事件以来のパリの移民差別反対の暴動はドイツなどにも波及して、ヨーロッパ中が騒ぎになっているが、今のところ、イギリスには波及していない。


先日、ドイツほぼ全土とパリを訪れて、それぞれの国での移民たちの状況は肌で感じて来ていた。誤解を恐れずにものすごく大雑把に言うと、イギリスにはインド人、フランスはアラブ人、ドイツではトルコ人が目立つ。中国人はどこにでもいる。基本的にあまり治安の悪い所に立ち寄らなかったせいかもしれないが、彼らは基本的に良い人たちで、ハノーファーインターネットカフェトルコ人スタッフはドイツ人より英語が出来るし、パリのアラブ人はすごくエレガントで全くのパリジャンだ。


それに比べて、と思ってしまう。イギリスの移民たちは英語はものすごくなまっているし、正直紳士淑女とはほど遠い人が結構いる。明らかにイギリスに同化していなくて、好き勝手に暮らしている感じ。自分がイギリスの地方都市に居てどっぷりつかって暮らしているから、真実が見えてくるからかもしれないのだが。


その、エレガントに同化しているかに見えた人々が、怒りを爆発させている。実際は、就業差別やその他もろもろの差別に耐えかねた末の暴動なのだろう。イギリスは基本的に彼らの慣習を尊重すつ立場を取っている。個人主義のイギリスらしいやりかただ。移民同士集まって、好き勝手に暮らすことを容認するフレキシビリティのおかげで、暴動が波及しなかったのだろうか。


いや、先日この駅で、トンネルの暗がりのちょうどその先で、パキスタン系の若者が、地下鉄を爆破させたのだった。自分達の怒りを社会的にアピールする暴動と、黙って爆弾を背負って、何の罪もない人々を殺戮するのと、どちらが悪質なのか。南北問題に根ざしたヨーロッパの病根は日本人の想像を越える根深いものがある。