ガルシア・マルケス「十二の遍歴の物語」

megumimaginery2005-10-16

十二の遍歴の物語 (新潮・現代世界の文学)

十二の遍歴の物語 (新潮・現代世界の文学)

ガルシア・マルケスの短編集。「百年の孤独」は途中で挫折してしまったが、こちらは短編なので読み易いです。ラテンアメリカ人がヨーロッパに出掛けて、そこでアイデンティティを失って孤独になる。ガルシア・マルケスの十八番「アイデンティティを失って孤独になる」がわかりやすくかつ絵画的に描かれています。20年来の憧れの地イギリスに来たものの、膨張した期待を裏切られてアイデンティティクライシスに陥り、孤独になっている私の心境にぴったりの一冊です。ヨーロッパはラテンアメリカ移住者にとっては故郷であり、我々日本人にとっては憧れの地。でも「ヨーロッパ」って何なんだろう?