オーストリア4

3月27日。今日は天気が悪い。が、今日は宿の移動だ。朝食を取りに行くと、イースターエッグとチョコレートが用意してあった。今日はトゥルンのエゴンシーレ美術館に行くつもりだが、まずはトラムに乗って、フンデルトヴァッサーハウスに向かう。ホテル、ショップの立ち並ぶドナウ運河沿いから角を曲がると、急に下町っぽい通りに入る。観光地にあてられて食傷気味だったのが、ちょっとほっとする。コピー屋や普通の事務所の並ぶ通りを行くと様々な色のついた木が生えている建物が見えて来た。ちょっと古びているからか、意外と街になじんでいる。因みに向いに同じ作りの土産物屋があったが、ここは下品だった。嫌な感じがした訳ではないが、アーチストの建てた家は個性的と悪趣味のすれすれであることを証明している。次にここから3分程歩いたところにある『クンストハウス』に行く。ここはフンデルトヴァッサーが古い工場を改装してアトリエ兼住まいにしていたもので、今は彼の美術館と企画展をやっている。内部にはちょろちょろと水が流れて、観葉植物が生い繁っていて、彼独特のうねった床、タイル、不規則に並べられたれんがの内装に、彼の作品が並べられていると、完璧な空間が出来上がっている。上の階ではフランスの女性写真家の企画展をやっていて、女性トップモデルのヌードやニューハーフ、キリスト受難をアバンギャルドに解釈した作品等が並ぶ。これがこの空間としっくり行っているのだ。昨日のセセッションは典型的な現代アートですよ、という感じが鼻についたし、ベルデヴェーレも絵がまるで標本のような感じで並べられていたが、ここは違う。館内あちこちにある流水のオブジェの御蔭で湿度も高く、古い工場の空気も混ざって、非常に心地良かった。ここはお勧めです。さて、その後、ウィーン郊外の街トゥルンに行くが、それは後日にいたします。